| 現在、金光教少年少女会連合本部の月刊誌『わかば』に「南風に吹かれて」という旅行随筆を執筆中です。今年1月から始めて10回になりました。 ベイルート(上)(下)、ヨルダン、ガザ地区、イスラエル、聖地エルサレム、エジプト、インド(上)(中)(下)と書き進んで、あと2回、カンボジアを書く予定です。南北問題の南に焦点を当てつつ、旅行随筆風にしました。
10月号が来たので、改めて読んだのですが、その中に「トイレだって、ブリキ缶一杯ほどの水をもって左手で尻を洗う。かれらがこぞって人工エネルギーをもっと使い、トイレットペーパーを使い始めたら、地球環境は直ちに破滅しかねない」と記述していました。 インド最南端の聖地(ヒンドゥー教の聖地と書きましたが、教派にとらわれずインド人全体の聖地になっています)カニャークマリで朝3時にホテルからタクシーで2時間近く飛ばして日の出を迎えました。ここは、東にベンガル湾、西にアラビア海、そして南にインド洋と、三つの海が交わり、太陽が海から出て海に没するインド唯一の場所です。人々は一年中、ここで日の出を拝みます。
荘厳なる日の出を拝んだ帰路、ヒンドゥー教寺院に立ち寄りました。上半身裸になって、布をまとい、額に白と赤の色の塗料を塗ってもらって参詣しましたが、その前に、その寺院の入り口近くにある有料便所に入りました。ブリキ板で囲った粗末な金隠しのない和式トイレがたくさんありました。団体参拝でもあれば、ずらりと人が並ぶのでしょう。お金を払うと、大きなコーヒー缶くらいの大きさのブリキ缶に針金で吊すようになっており、それに水が入っていました。用を足したあと、左手で尻を洗います。水を拭くものはないので、ハンカチを使いましたが、ふつうはそのままです。南方では水に濡れることは苦になりません。
外国人向けホテルは別として、通常、トイレットペーパーは使っていない家が多いと思います。 (つづく)
|