| 通り魔事件のあった現場に行ってきました。アキバには、いつも通り大勢の人が行き交っていました。ここの筈、と思っても、街全体の様相は以前と少しも変わりません。しかし、トラックにはねられた人たちのいた現場(生け垣の空き地)に、線香が手向けられていました。小さな花束がいくつも置いてありました。ミネラルやコーヒーなどの入ったミニボトルがたくさんありました。ノートの入っているらしいジッパー付きの黒くて薄いバッグが置いてあり、「亡くなった方の冥福を祈って記帳してください」と書いてありました。
合掌をして、霊の幸を祈りました。気づくと、他にも合掌している人が何人もいました。
犯行者が人を刺して逮捕された場所に行きました。そこには何の痕跡もありませんでした。どういうわけか人通りも少ない。
次に交差点に戻って、3人でしたか、刺された場所に行きました。献花台が設けられてありました。「亡くなった方の冥福を祈ります」と書いてありました。そこには、実にたくさんの生花と飲み物、煙草などが置いてありました。そこにも合掌している人が何人もいました。厳粛な気持ちで合掌をし、祈りました。
なんでこんなことが起きたのでしょう。殺された人は、何が起きたのかも分からない状態だったかもしれません。そんなふうに人生が幕を閉じるなんて。 現代には孤独な魂を抱えている人たちが山ほどいる。なぜ、こんな社会になってしまったのか。
街は事件のことを忘れたかのように営みを続けています。しかし、その中に、「他人事とは思えません」と花を手向け、合掌する人たちもいる。人間、捨てたもんじゃない、そう思いたい。病んだ人を包み込み、癒して支えることができるような世界にしたいものです。しみじみとそう思います。
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