| ジダンはFIFAワールドカップでもっとも見たい選手の一人でした。期待を上回る大活躍でついに決勝までたどり着きました。大したものです。そのプレイは華麗で、ほんとにすばらしいファイティング・スピリットと巧みなテクニックを披露してくれました。
ジダンはすばらしい人格の持ち主だと思っています。4年前に、日韓共催W杯を前にして、2,3人の選手に焦点を当てた特集がありました。それを見て、すっかりジダンのファンになってしまったのです。世界の恵まれない子供たちにいつも思いを致しているその心根に大変惹かれました。 今にして思えば、ジダン自身の生い立ちと無関係ではないし、貧しく差別されている子供たちは自分自身のことだと見る視座をもっていたんですね。
そのかれが、試合を前にして人種差別をやめようと訴え、そして試合中に、意図的に、執ようにくり返された差別発言に堪忍袋の緒が切れてしまった。
それを策謀した方は見事戦略が成功したのだけど、ジダンはどうだったのでしょうか。フランスの優勝と、自らのサッカー人生の集大成の総仕上げを台無しにしてまでガマンできないということでした頭突きだと言われても、どうしても腑に落ちないのです。
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