| 1971年のクリスマス休暇はアメリカのメイン州で過ごしました。その当時、シカゴ大学ミードビル神学大学院に留学中でした。シカゴの冬は日本では味わえないほどの厳冬です。一番寒い日の体感温度はマイナス50℃でした。 それはともかく、マルコム・サザランド学長のお宅でクリスマスを過ごすように招待されていました。後に金光教サンディエゴ教会長になった故湯川憲一氏も一緒でした。かれはテキサスで留学中の学生でした。
クリスマスイブ、家族揃って小さな教会のミサに参拝しました。家に戻って、クラシック音楽を聴きながら七面鳥の丸焼きの料理に舌鼓を打ちました。そして休むとき、暖炉に大きな靴下をつるして、これはノリのだよ、これはモロのだよ、と一人ずつ、巨大靴下の位置の確認です。暖炉の上にはお皿にのせたクッキーとコーヒーを起きます。「ほら、ここに確かに置いたからね」とミセスが茶目っ気たっぷりの目で言います。「明日の朝は10時より前に起きちゃだめよ」と念押しです。
翌朝、クッキーもコーヒーも空になっており、プレゼントが靴下からあふれていたことはもちろんです。そんなふうに、サンタ伝説は伝承されていました。
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