| ヨッコさん、小町さん、てるりんさん、ハルミさん、そして読んで下さっているみなさま。熱い議論を有り難うございます。
人質になった3人の問題、3人に対して批判的な意見と支持する意見と、世論は真っ二つに割れています。 どうして批判的な意見が出てくるのか、当初、私には分からなかったです。そして、批判的な意見をされる方は、自衛隊の派遣を支持している人たちが多いということが分かってきました。逆に、3人を支持する立場は、自衛隊の撤退を望んでいる人が多いです。
そこで、3人のしたこと、また3人への評価が、有事法制に賛成か反対か、あるいは自衛隊の海外派遣に賛成か反対か、という政治的なテーマのすり替えとして議論されるようになってしまいました。 もっと、純粋に、かれらのしたことへの称賛や尊敬や誇りが語られてもよいはずなのに、こともあろうにバッシングなどという、とんでもないことに世論が向いてしまったことに驚きを禁じ得ませんでした。
昨年9月11日に、『チョムスキー9.11』という映画を観ました。その中でのノーム・チョムスキーの発言について、翌日にこの「ひろば」で以下のように引用しています。
>チョムスキーは言います。「9・11のテロは、世界史のレベルで見ると別に驚くべき >ことではなく、欧米や日本を除けば世界中どこででも起きてきていることです。それは、 >国際司法裁判所によって、世界で唯一テロ国家と認定された国アメリカによって引き起 >こされた。9・11のテロが歴史的なのは、攻撃されたのが世界最大の帝国だったとい >うことだ。このテロによって、世界中の先進国の為政者たちはチャンスだ、と受けとめ >た。そして、それぞれのやり方でこの出来事は利用された。日本はこれによって軍国化 >し、憲法改正に向かおうとしている。
まさに、そういう事態が起きているように思います。自衛隊は、イラクのためでも、正義のためでも、人道支援のためでもなく、まさに9・11を利用しようとする為政者の政治的な意図を満たすために派遣された。 派遣される自衛隊員も命を賭して行っているわけですから、たまったものではありません。武器を装備するということは、それを使用することを想定しています。
イラク人を始めアラブの人たちは日本人が大好きです。敬愛もしています。それが、今度の小泉政権の対応によって、過去何十年にもわたって民間人や政府が築き上げてきた友好の架け橋は破壊されてしまった。残念です。
国益ということがしきりに言われるようになりましたが、「人間のいのち」が尊重され、人々の暮らしが安全に豊かになることを政治の第一義としてほしいと思います。力で押さえつけるやり方はもっとも未熟な政治です。ましてや、人間を殺傷することを容認し、あるいは遂行する国家は未熟で野蛮です。報復ということばが飛び交う21世紀の世界状況はまったく信じがたいほど歴史の教訓を踏みにじって退歩しているのです。
国家という枠組み、民族という枠組みを超えて、人間という立場から、手をつなぎ合い、地球の悲劇を無くしていく、そういう世界にしたいです。 金光大神は、「すべての人間は神のいとし子」と諭されました。神のいとし子同士、愛し合い、助け合う世界になることへの祈りを強めたいと思います。
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