| この集いに参加したつっさんが、konko-nowar-peace というメルマガに以下の投稿をしています。昨日のチョムスキーの発言の輪郭が分かると思います。ご本人の了解を得ましたので、掲載します。
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皆様、こんにちは、辻井篤生です。お元気でご活躍のことと拝察いたします。東京は9月に入って夏が訪れ、少々ばて気味です。 昨日9月11日、先日ご案内申し上げました「映画『チョムスキー9.11』を見て、いま私たちにできることを考える」集会に行ってきました。本教からは田中元雄先生父子と福嶋信吉氏が来られてました。全体の参加者は1800人でした。 恥ずかしながらアメリカの言語学者ノーム・チョムスキーさんという方を今回初めて知りました。もう40年も前から反戦、平和について語り続けてきたそうです。御年74歳。 9.11以降はマスメディアから叩かれ、無視されたそうです。しかし、現在は支持、評価する人々が確実に増えているようです。 この映画はチョムスキー氏の講演やインタービューを編集しただけのものです。しかし、その涼やかなる語り口調にすぐに引き込まれました。そして、世界、社会の情勢、政治、経済、文化、歴史を具体的に語ることができる知識と見識、世界的にいや巨視的に物事をとらえておられることに本当に驚きました。まさに40数年間現実を見続けた重みがありました。 以下に概要を記しますが、映画でメモがとれなかった関係で正確さに問題があること、最初にお断り申し上げます。
○9.11は、恐ろしい暴力行為であるが、あのようなものはいくらでもある。ただアメリカ以外の場所で起きていたというだけ。アメリカは内のことしか知らず、外のことは全く知らないし、見ようともしない。9.11と同様のあるいはそれ以上のことをアメリカは世界の各地で行ってきたのである。
○アメリカはテロ撲滅をいう資格がない。なぜならアメリカ自身が世界最大の国際テロ国家であるからだ。我々や我々の同盟国に対するテロのみがテロで、我々や我々の同盟国が他者にテロを行った場合は、報復テロもしくは正義の戦争と記述される。
○アメリカの知識人のほとんどはアフガニスタンの爆撃やイラク戦争を支持する。しかし、対ニカラグア戦争を理由にワシントンを爆撃すべきという話には絶対にならない。彼らには、自分たちが他の人々に対して適用した基準を、自分たちにも適用しなければならないという理屈がわからない。聖書に偽善者について有名な定義がある。 偽善者とは、他人に対して自分が適用する基準を、自分自身に対しては適用しない人間のこと。この基準によれば、対テロ戦争といわれるものに関するあらゆる論評や議論は、例外なく純粋な偽善である。
○アフガニスタン支援というが本当は賠償というのが正しい。
○世界各国の指導者は9.11を早速に利用した。国民に恐怖と緊張を与え、支配者にとって都合のいい体制強化を図る。日本では憲法改正へと向かうであろう。最近のアメリカは「言うことを聞け、おまえの意見は関係ない」である。
○誰だってテロをやめさせたいと思っている。簡単なこと、対テロ戦争に参加するのをやめればいい。
○なぜイラク戦争か。その理由はアメリカによる世界支配への見せしめ、テストケースである。第1にイラクは無防備、第2に石油資源、第3に悪者に仕立てやすかった、この3つである。フセインは自国の国民に毒ガスを使用した。大量破壊兵器も開発していた。しかしそれはアメリカの支援のもとに行われていたのにもかかわらずである。また、アメリカは石油そのものをほしいのではなくて、石油資源を押さえて世界制覇をねらっている。最近のアメリカ軍は、アジアの中央へと基地を移しているのもその一環である。
○なぜ各国政府がアメリカに協力するのか。それはそれぞれの国が抱える例えばロシアにおけるチェチェン問題や中国における西域での抑圧を公認してもらえるからである。もっとも顕著な例はトルコである。国民の4分の1にあたるクルド人を抑圧、残忍な行為が繰り返された。それを強力に支援してくれたのがアメリカで、トルコはそのお礼に軍隊を真っ先にアフガニスタンに派遣した。NATO50周年になる1999年にセルビアへの爆撃が始まった。しかし、なぜNATOの境界にこれほど近いトルコの問題をどうしたら黙殺できるのであろうか。
○私とクエーカー教徒の友人と唯一意見が相違するのは、彼らは「権力者に真実を語れ」というが、私は「国民に対して真実を語るべき」と思う。権力者はすでに真実を知っている。それは時間の無駄。もっと言えば、「真実を語る」という表現は好きではない。真実は謎である。
○日本は政府や政治家のレベルで危険な方向に向かっているが、一般市民のところではよくなっていると思う。日本は敗戦国で自分たちの行ったことを気にかけるように強いられる。勝者は強いられない。 以上
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