| 樋口さん 樋口さんのおかげで、日頃なかなか踏み込むことの出来ない、大切な場に誘って頂きまして、いのちの洗濯をさせて頂いています。 ほんとうは、樋口さんの絵に批評など出来るものではありません。そんな力量もないし、眼力もありませんが、いろいろと感じさせて頂けるものをことばにしてみただけのことで、そうすることが却って樋口さんの絵を矮小化してしまうのではないかと恐れます。
樋口さんとは、私が東京センターで御用を頂いている頃、第1回東京平和集会のポスターをお願いしたことが最初だったと思います。それ以来、何度となく、様々なことをお願いしました。
印象深かったのは、ピースメールと称するハガキに平和の絵を描いて貰う企画を立て、その審査員にサトウサンペイさんと長野博一さんと樋口博徳さんにお願いしました。主導権はサンペイさんです。よくお喋りになるし、これがいい、あれがいい、あれはダメ、これはダメとスパスパと切っていきます。長野さんは、それとは別の切り口で論評を加え、長野流に選別をしていきます。樋口さんは、何も言わず、じっと二人の選別を見ているのですが、二人が捨てたものを、これのこういうところがいいですね、これはこの色使いがすばらしいですね、と捨てられたものを拾い出していくのです。
凹い所に立つ樋口さんの原型を私はそこに見ています。
|