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■1076 / inTopicNo.1)  樋口博徳さんの絵。
  
□投稿者/ モロ @MAIL -(2003/06/18(Wed) 22:26:45)
http://osaki.konko.jp
    樋口博徳さんの絵画2点が出品されている青枢展なる展覧会を観に、上野の東京都美術館に行ってきました。(青枢展は22日までやっています。)

    樋口さんの絵は、どんなに数多く絵が並べてあっても、すぐに見つけ出すことが出来ます。淡くて優しくて独特の色づかいです。樋口さんは、もう6,7年になるでしょうか、毎年行われるその展覧会の大賞を獲得され、以後、審査員をされています。
    今年のは、「那須高原私の美術館賞」獲得です。那須高原で個展を開くことが出来る賞なのかな?

    いつもは、抽象画っぽいけれどもテーマをもった絵です。独特の青緑を基調とした中にスッと赤の線が入ったりして、それが何とも言えない色合いを出しているのが好きです。しかし、今年のはいつもと画風が違いました。

    「のたうち回って描いた」とおっしゃるのが痛いほどに感じられる絵でした。1枚は、「その後のイソップ(星とチグリス川)」です。昨年はのどかな「イソップ物語」を描いたのでした。イラクの川にいろいろなものが流れています。人が流れています。サダムに似た涙を流すイラク男もいます。他方、いかつい欧米のお偉いさんらしき人たちも対極にはいます。戦車の車輪も見えます。星条旗も流れています。星条旗からこぼれだした星もいっぱい川の流れに呑み込まれています。悲しみと怒りと呻吟とが錯綜しています。砕け散る星条旗に力づくの帝国の未来が暗示されてように感じました。

    もう1枚の絵、「夢見る時間」は不思議な絵です。銀座か渋谷か新宿か、どこか繁華街の商店街のあるお店のシャッターが下りています。この店は21時閉店ですから、もう夜の10時頃なのか、まだ人通りがあるようで、スーツ姿のサラリーマンか、しゃれた服装のキャリアウーマンたちがこの店の前を足早に通り抜けていきます。その姿は透明人間のようで描かれていません。ネクタイやスカーフや服の一部が風のように通り過ぎていくらしい気配が描かれています。そして、店の前には横たわって毛布にでもくるまった人の影。かれは夢見ているのでしょう。影の方が存在感があって、多忙に街を行き過ぎる人たちの方が透明なのです。虚なのです。

    樋口さんの絵は、社会の矛盾から目を背けず、だからこそのたうち回って、虫の視座で、金光大神のように凹い所に自分を据えて世界を見つめているのだ、と思いました。

    樋口さんは、その先を描きたい、と言われます。
    その先が楽しみです。
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■1077 / inTopicNo.2)  Re[1]: 樋口博徳さんの絵。
□投稿者/ ヨッコ @MAIL -(2003/06/19(Thu) 18:19:34)
    久しぶりに至極の時をモロさんと過ごしました。
    とっても樋口さんの作品に心を奪われました、素晴らしい感性の持ち主なんだな〜と再確認しました(生意気ですねゴメンナサイ)
    二つの作品に随分と立ちつくしました。コメントはモロさんが的確になさっているので差し控えますが、本当に素晴らしいものでした、是非皆さんもお時間が有りましたら、上野の美術館に足を運ばれませんか?
    余談ですが、美しい歌声が聞こえて来たのでそちらの方に行くと炊き出しをしていました、「イエスを信じれば救われる」と横断幕と歌と炊き出し、う〜ん立派な布教でした。
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■1078 / inTopicNo.3)  Re[2]: 樋口博徳さんの絵。
□投稿者/ モロ @MAIL -(2003/06/19(Thu) 22:18:18)
http://osaki.konko.jp
    東京都美術館の横の森にはブルーシートのテントが林立。くり返し歌われる歌が巨大スピーカーで遠方まで聞こえました。そして、雑炊か麺か、炊き出しテントの前には長蛇の列。
    皆、堂々と箸と丼を受けとっていました。この一団に触れればすぐにキリスト教と分かる、宣伝色の強いボランティアでした。
    東京にもホームレスは増えています。
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■1079 / inTopicNo.4)  Re[1]: 樋口博徳さんの絵。
□投稿者/ H.HIGUCHI -(2003/06/20(Fri) 14:18:21)
     モロ先生、ヨッコさま。お忙しいなか、青枢展をご覧いただきありがとうございます。
    このひろばをよく覗いていますので、いつもはつらつと発言されているヨッコさんは
    知人の一人ようです。先日、きゅりあんのエレベータでお見かけした方だと思っています。二点の絵についてのコメントは、モロ先生の心の中の一隅で制作されたかのように、的確だと思いました。うまく言葉で言えない部分にも、有余るほどのご批評を
    頂いています。ありがとうございます。
    長い間、一度も欠かさずに絵を見て頂き、理解し、応援を頂いていますので、筆を
    投げ出さずに、続けることができています。制作中にもこのひろばを、度々訪ねて、悲しみや、怒りや、祈りや、行動を拝見しました。このひろばで頂いたパワーで制作出来たような気がします。那須の私の美術館で個展を開かせてもらえる目録頂きました。
    いま、準備に入る前の深呼吸をしています。ありがとうございました。

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■1080 / inTopicNo.5)  Re[2]: 樋口博徳さんの絵。
□投稿者/ ヨッコ @MAIL -(2003/06/20(Fri) 22:14:30)
    樋口様
    憶えていて下さって有り難う御座います。
    本当に素晴らしい絵を拝見する事が出来て至極の時を持つことが出来ました。
    主人に良かったねって言われました。
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■1081 / inTopicNo.6)  Re[2]: 樋口博徳さんの絵。
□投稿者/ モロ @MAIL -(2003/06/20(Fri) 23:04:11)
http://osaki.konko.jp
    樋口さん
     樋口さんのおかげで、日頃なかなか踏み込むことの出来ない、大切な場に誘って頂きまして、いのちの洗濯をさせて頂いています。
     ほんとうは、樋口さんの絵に批評など出来るものではありません。そんな力量もないし、眼力もありませんが、いろいろと感じさせて頂けるものをことばにしてみただけのことで、そうすることが却って樋口さんの絵を矮小化してしまうのではないかと恐れます。

     樋口さんとは、私が東京センターで御用を頂いている頃、第1回東京平和集会のポスターをお願いしたことが最初だったと思います。それ以来、何度となく、様々なことをお願いしました。

     印象深かったのは、ピースメールと称するハガキに平和の絵を描いて貰う企画を立て、その審査員にサトウサンペイさんと長野博一さんと樋口博徳さんにお願いしました。主導権はサンペイさんです。よくお喋りになるし、これがいい、あれがいい、あれはダメ、これはダメとスパスパと切っていきます。長野さんは、それとは別の切り口で論評を加え、長野流に選別をしていきます。樋口さんは、何も言わず、じっと二人の選別を見ているのですが、二人が捨てたものを、これのこういうところがいいですね、これはこの色使いがすばらしいですね、と捨てられたものを拾い出していくのです。

     凹い所に立つ樋口さんの原型を私はそこに見ています。

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